「Webクローリング」「サイトクロール」という言葉を聞いたことはありますか?なんとなくわかっているけど、よくわからないといった方も多いのではないでしょうか。今回はあらゆる場面で活用されるクローリングについて細かく解説します!
クローリングとは?
クローリングとはクローラーというプログラムがWebサイトを巡回し、サイト上にある情報を収集・取得することを指します。
例えば、Google検索のクローラーであるGooglebotは常にインターネット上にある新しいページや更新されたページを巡回し、インデックスに追加することでGoogleの検索結果に表示しています。自分のサイトがインデックスされているか確認したい場合はGoogleサーチコンソールを使って「URL検査」をしましょう。
スクレイピングとの違い
クローリングと似たような用語に「スクレイピング」というものがあります。クローリングが情報を収集するのに対し、スクレイピングは特定のデータを抽出するといった意味合いがあります。
ただ、厳密にはそのように異なる意味を持っていますが、実際にはどちらも同じ意味で使われることがあるため「クローリング」も「スクレイピング」もWeb上を巡回し、情報を収集・抽出する技術とセットで覚えておくと良いかもしれません。
クローリングの活用方法
クローリングの技術の活用方法を3つ紹介します。
- 検索エンジンの最適化
GooglebotやMicrosoftのBingbotなどのエンジン検索系や、indeedなどの求人サイトもクローラーを活用して情報収集を行っています。新しくできたサイトや更新されたページはそれらの検索botがクローリングすることで初めて認識され、さらにインデックスされることで検索結果に表示される仕組みです。まずは検索エンジン側にクローリングしてもらえるようサイトマップを作成するなどWebサイトのクローラビリティを向上させることでSEOの対策にも繋がります。
- 市場調査、競合調査、営業リスト作成など
クローリングは検索エンジンに有効な技術だけではありません。実は市場調査や営業リストの作成などにも使われています。例えばECサイトであればベンチマークしているブランドの価格変動を調査したり、不動産サイトであれば新しく出た物件の情報や価格などの最新情報を取得するなど、手動でWebサイトを巡回して情報を得ようとするとかなりの労力がかかりますが、クローリングに任せると欲しい情報をすぐに入手することができます。
- データフィードの作成
ダイナミック広告の配信などに必要な「データフィード」。自社で用意しようと思っても、システム側で最新の商品データを広告媒体用に加工して毎日更新するといったことができない場合も多いのではないでしょうか。データフィードサービスを提供する会社のクローリングの技術を使えばシステム側で手間をかけることなく、Webサイトの最新の情報を日々取得し、広告媒体用に加工、データアップロードまで行うことが可能です。
クローリングを行う方法
自社サイトや他社サイトをクローリングしたい場合はPythonやRuby、JavaScript、PHPなどのプログラミング言語を用いてクローラーの開発を行います。流れとしては以下の通りです。
・WebサーバへHTTPリクエストを送る→サーバからリクエストが返ってくる
・HTMLのツリー構造を作成し、Webページの必要な情報を検索
・検索後、必要な情報を抽出し取得する
ただクローラーを開発して運用していく場合、Webサイトがリニューアルされることで都度クローラーの修正が必要になったり、サーバを複数台用意する必要があったりと手間もコストも発生します。
専門知識を持ったプロや専門企業に依頼する方がリスクを抑えて運用できるでしょう。
クローリングの注意点
- Webサイトを巡回して情報を収集できるクローリングですが、サイト上にある全ての情報が取得できるわけではありません。クローラーはHTML以外にもCSS、PHP、JavaScriptによって生成されたリンク、PDFなど様々なデータを読み込むことができますが、画像によって生成された情報は取得することができません。大事な情報は必ずテキストデータで記述を行いましょう。
- クローリングは便利な技術ですが、過度なクローリングによりサイトへの負荷がかかる場合があります。場合によっては対象のサイトが落ちるなどして被害を受ける可能性があるため、クローリングを使って自社サイトや他社サイトの情報を収集する際は頻度に考慮して実施しましょう。
- 他社サイトをクローリングするのは違法では?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、クローリング自体は違法ではありません。しかし個人情報や著作権のあるコンテンツを取得して利用するのは違法となりますので、取得する情報には注意しましょう。中にはクローリングによるデータ取得を禁止しているサイトもありますので、そのサイトの規約をしっかりと読んだ上で実施するのが望ましいです。
3行まとめ
今回はクローリングの技術について解説いたしましたが、いかがでしたでしょうか。
簡単に3行まとめを作成しましたのでご確認ください。
- クローリングはWebページを巡回して情報を収集する技術。スクレイピングは特定のデータを抽出する技術。
- SEO対策、市場調査や営業リスト作成、ダイナミック広告配信にも活用できる。
- 他社サイトをクローリングする場合は頻繁なアクセスや個人情報・著作権の収集に注意する。
クローリングをしたいときは
自社サイトや他社サイトのクローリングを行いたい場合は、10年以上の実績がある「FEED STREAM」にお問い合わせください。プロの専門スタッフが実現したい内容をヒアリングしてサポートさせていただきます。